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白雲岳避難小屋について

白雲岳避難小屋は表大雪山のメインルート上にあり、縦走をする登山者にとって重要な拠点となっています。また管理人がいる有人小屋として、情報収集の場所として利用する人もあり、日帰り利用者や通過していく場合も立ち寄って話を聞く人も多くいます(トイレ使用のみの利用者も多い)。

​昔から研究者の拠点としても活用されており、数ヶ月間泊まり込みで活動する研究者もいます。

大雪山における白雲岳避難小屋の位置

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白雲岳避難小屋周辺の地形・植生環境

低い気温・短い登山シーズン

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白雲岳避難小屋はハイマツ郡や矮性低木郡、スゲ類、地衣類などからなる高山帯に位置し、年間を通して気温が低く、1年間の平均気温はー4.1℃、最暖月(7月、8月)の平均気温は10.1℃、最寒月(1月)の平均気温は-20.9℃となっています。

 

白雲小屋での最初の作業は、水場を出すための雪穴掘りであり、6月下旬でも残雪は多くあります。

​また、8月下旬には水場に薄氷が張るほどの冷え込みがあり、9月下旬には数十センチの降雪になることもあり、実質の夏山シーズンは2ヶ月半ほどの短い期間です。

強風下に育つ植生

白雲岳避難小屋周辺は風が強く、夏シーズンは平均3〜5m前後の風速があります(ヒグマ情報センターとの定時記録から)。冬季は倍以上の平均風速があります。

台風などの瞬間風速は50m以上あると考えられ、2020年の小屋建て替え時には、野営指定地にワイヤー固定されていた作業員宿泊用のプレハブが倒れるなど、下界では考えられないような強風が吹くことがあります。

このような強風下では植生は風衝地植生が多くなり、部分的な窪地にハイマツやナナカマド、キバナシャクナゲなどの低木郡や雪田植生が見られます。

​この地域にはエゾシカ・ヒグマ・ナキウサギ・キタキツネ・シマリスなどの哺乳類も多く生息し、過去にはヒグマが登山道や野営指定地付近に出没し、小屋管理人が警戒に当たる事例もありました(2019年など)。

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6月末の水場の雪渓掘り作業

また、白雲岳周辺は「お花畑」と呼ばれる花が咲き乱れる場所が多く、7月初旬の開花時期は登山者にとって格別のシーズンであり、この時期を心待ちにして小屋利用をする登山者も多くいます。

7月初旬のホソバウルップソウ

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貴重な地形・構造土

白雲岳避難小屋周辺の登山道を含む一帯には、永久凍土が確認されている地点も多く、国内の中でも非常に珍しい地形が見られます。

緑岳山頂〜板垣新道個所などには植被階状土と呼ばれる土壌の凍結融解作用によって形成される構造土地形があり、白雲岳山頂に近い火口原にはアースハンモックや凍結割れ目多角形土などの周氷河地形が形成されています。

​どちらも日本国内には少ない地形であり、大雪山でも限られた箇所にしか形成されない地形ですが、登山道侵食がきっかけとなりその地形が崩れている箇所も多く、対応が急がれています。

白雲岳山頂から

見える火口原

白雲岳分岐〜北海岳にある構造土